ネレッロ マスカレーゼ ロッソ テーレ ディ エリオ

Nerello Mascalese Rosso Terre di Elio

エトナのそれとはまったく違う個性を表現

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5,060 円
(税込)
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生産者名
フェウド モントーニ
生産者名(原語)
Feudo Montoni
年号
2021年
容量
750ml
味わい
フル
原産国
イタリア
産地
シチリア
格付け
IGTテッレ・シチリアーネ
認証
ユーロリーフ
品種
ネレッロ・マスカレーゼ100%
評価
栽培
醸造
セメントタンクで発酵・熟成(若干樽を使用)
アルコール度数
13.50%
キャップ仕様
コルク
商品コード
FH1271
JANコード

生産者について

フェウドモントーニはシチリアの中央部、カンマラータの東側にある山岳の村にある。この村は一番高い所で標高1570m、シチリアの西側では最も高いところにある村。広大な小麦畑が広がり、カンマラータでは古くからブドウ栽培の歴史がある。「カンマラータ」の由来はアラビア語のchamrat=ワインの意味。「神様がサンダルをなくした場所」、これはシチリアの表現で、どこだかわからない場所に迷い込んだ、という意味。砂岩の作る風景、先史時代の洞窟や彫刻、そしてギリシャ人がシチリアに古代歴を持ち込む以前に刻まれた暦の印。そして彼らのブドウ畑。シチリア人でさえよく知らないエリア。ここでは本当に時が止まっているよう。
【カンマラータ、孤立による独自性】
1820年の書物にカンマラータに関する記述がある。「カンマラータの山は賞賛に値する、なぜなら東側はブドウ畑で覆われている。」1800年代の終わり、現当主ファビオの祖父ロザリオがこの土地を購入。ロザリオは日記にこう記している。「所有地の中心にあるモントーニ、肥沃で活気のあるエメラルドグリーンのブドウ畑、金のリングのように、周りを完全で麦畑で囲まれている」土地の中核に由緒正しい農場に伝わる伝統な建築スタイルのバッリョ。これは1469年にアラゴンの名家アバテリス家によって建てられ、ワイナリーのセラーとしてだけでなく、巨大な領地の本部として機能した。現在この築600年のバッリョはファビオら家族のものになっており、活用・管理している。
ファビオの父の代まではブドウの一部をタスカ・ダルメリータに売り、残りのブドウで自分達のワインを造っていた。いつしかファビオもそのワインを試飲するようになったが、いつも他のシチリアワインと違うと感じていた(他より良い、という意味でなく、ただ「違う」ということ)。このことがファビオのライフワークへと繋がった。ファビオの最初の目標は、ワインを造ることでも、ワインを売ることでも、有名なワイン生産者になることでもなく、彼のこの歴史ある土地に尊厳を与えることだ。
【カンマラータの異なる個性】
シチリアはイタリアで最大の州であり、地中海でその面積においても経済力においても最大の島。そのため多様な現実を1つにまとめた巨大な箱のようなもの。島内の様々な地域は、歴史も、人も、食習慣も共有していない。ワインも同様、テロワール、気象条件(気温、風、日光)は地域によって大きく異なる。モントーニは、シチリアの中央にあるカンマラータ山の東側、標高1570m、シチリア西側で最も高い山間の村に位置する。モントーニが所有する畑は標高500?800メートルの範囲で、ワイン造りに理想的な気象条件。この標高による昼と夜の温度差のおかげで、強い芳香を有し、pHを低く保ちながら果実の酸性度を高める。
【エトナとの違い】
エトナのワイン畑も似たような標高で、傾向としては同じようにフレッシュさを有するが、海に近いこともあって土壌の特徴はモントーニとはかなり違う。エトナ山は活火山で、土壌には溶岩の痕跡があり、それが特有の風味を生み出す。
一方、カンマラータ山は、石灰岩、シルト、砂質の土壌に富み、断続的な青い粘土の地層がワインにニュアンスのある芳香を生み出す。この土壌の野生植物が持つポリフェノール成分がブドウの木に独特の香りを与える傾向がある。つまり、よもぎ、カモミールなどのカンマラータの地に自生する植物、メントールのような香りを持つ野生植物は、ブドウに、そして最終的にはワインに独特の香りを与える。
エトナとのもう1つの違いは、エトナは畑のほとんどが近接しているが、モントーニでは最も近い畑が40キロ離れているなど、ブドウ畑が自然に孤立している。
【ヴィットリアとの違い】
カンマラータとヴィットリアの根本的な違いは、標高と緯度の違い。ヴィットリアは標高がほぼ海抜ゼロに近いシチリア島の南東の隅に位置し、チュニジアと同じ緯度。ブドウが成熟する夏の間、この低標高だと気温は夜も下がらず、ブドウは終日高温のまま。また、アフリカからのシロッコ(熱風)を受けて急速に成熟する。風がブドウの皮を熱して香りを変化させ、濃縮したフルボディのマーマレードのような果実味たっぷりなワインを造る。それが良いか悪いかという話ではなく、高い酸性度と低いpH、丸みのあるというよりは垂直的なストラクチャーの山岳地帯のワインとはスタイルが大きく異なる。
【3つの土壌】
タキス博士の「周囲からの孤立による独自性」の発見のあと、ファビオはモントーニの独自性をさらに深掘りするべく、土壌の成り立ちに注目し、3つエリアに分けられることが分かった。
① 海抜700m超
原住民のシカニ人による洞窟が残る畑の最上部は砂石と礫岩の肥沃な丘で、そこから少しずつ浸食して土地の下部に続いていく。このエリアでは、どの岩もオレンジを基調としたユニークな芸術作品のように、赤色や白色が粉状に混じり、そこに黒や白の小石が混ざり合う。
② 海抜400m
モントーニでもっとも低いこのエリアは、滑らかな小石、化石、貝殻、アンモナイトが混じった砂質の土壌。数百万年前にシチリアが海水で覆われていた証拠。
③ ①②を結ぶ東向きで300m続く斜面
このエリアはハイレベルの鉄分とマグネシウムが豊富な青灰色の粘土と①の土壌が層になっている。砂は排水性、粘土は保水性、この交互の地層によって、冬の水が保存され、粘土の厚い壁によって守られる。この土地の保水力とパワフルな深い根を育む構成が、乾燥したシチリアの夏を克服することを可能にしている。
【友人ジャコモ・タキスとヴルカラ】
20年近く前、イタリアのワイン界の重鎮、ジャコモ・タキス氏のおかげで、ファビオはここの独特なワインスタイルのルーツを理解し、モントーニのワイン造りの歴史を深く知ることになる。
彼はトスカーナのサンカッシアーノ・ヴァル・ディ・ペザにある彼の貴重な書庫から、中世の時代にすでにモントーニでワインが作られていたという記述を見つけた。1590年このセラーとブドウ畑は、教皇Sixtus 5世の農学者であるアンドレア・バッチによる醸造学に関する最初の論文「De Naturali Vinorum Historia」の中で言及されている。「モントーニで大きなブドウの木(ヴルカラの区画の事)を見つけた。この赤ワインは心地よい香りと味わいで、長期保存も可能」 この長熟性はワインの潜在能力、高酸度、低pH、高アルコールといった特徴からくるもの。また、モントーニの標高の高さも関係する。
また、ファビオはタキス氏からの1通の手紙を大切に保管している。ヴルカラについてだ。「ヴルカラは本当に特別。素晴らしい赤ワインで、骨格があるというより、むしろエレガンス。スタイルとクラス。それが他のネロダヴォラとは一線を画している。」(同様の反応はBill Nesto氏も彼の著書“The World of Sicilian Wine.”で書いている)

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